埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

デリカのスライドドアレール補強

三菱デリカ(PD6W)です。
スライドドア脱落の、修理と対策を施すために入庫しました。
オーバーフェンダー越しに動作させるため、ヒンジ延長キットを装着しています。


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スライドドアを途中まで開けたら脱落したとのこと。
こんなに大きくて重たいドアが落下したら危険です。

ドアを保持して原因を調べると、

・ レールがグリスでべとべと
・ ガイドローラーが破損している
・ レールに歪みが生じている

これらが直接原因と見受けられます。



遠因として考慮すべきは、オーバーフェンダー対策の改造箇所。
「ヒンジ延長キット」による、メーカー想定以上の負荷についてです。




このスタイルは譲れない、というのが前提条件です。
そこで、破損した部品を交換する際に、補強を追加することにしました。


薄い板金細工のレールの裏に、フラットバーを溶接していきます。
この作業には、歪みを生じさせないための配慮が欠かせません。


追加したフラットバーを基準に断面が直角になるよう、さらに溶接。


最終的に、このような部品形状としました。
ボディ形状に沿って、L型断面の補強が入っています

同時に、ガイドローラーを新品に交換しました。
よそのショップの処置でしたが、ここにグリスを詰めるのは間違いです。
ローラーの作動を妨げ、摩耗を早める結果となります。

今回のドアレール補強は、一日で実現可能な対策として選択した手法です。
もっと時間と手間をかければ、さらに良くなる手応えを感じました。

フィードバックを得て改善を重ねれば、純正品より良い部品ができるでしょう。