埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

メルセデスベンツのエンジンチェックライト点灯 修理

メルセデスベンツCLK200 コンプレッサーアバンギャルドです。
エンジンチェックランプ点灯で入庫しました。


同じ症状で半年前に点検し、リセット後症状が散逸していた経緯があるクルマです。

工期や予算の都合により、点検とテストのみでお帰りになるお客様も稀にいらっしゃいますが、そこには自己治癒力のない機械の悲哀があり、大概は再入庫する結果となります。

整備履歴データと比較し、同じDTCが検出された場合は躊躇わず部品交換していきます。

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DTCは、触媒コンバーター(キャタライザー)上流側のO2センサー不良を示しています。
診断結果に示された「アースへのショート」は、常時継続していればモニタリング可能です。
しかし、瞬間的な不良が原因だった場合、次の症状が出る瞬間を捉えられるかは不明です。


このようなケースでは、整備履歴データと照合して判断するのが最も確実な方法です。

「部品交換なしの定期点検」や「リセットしたチェックライトの再点灯」は、ユーザー心理として愉快な工程ではないかもしれませんが、

「故障診断の時間を短縮し、かつ正確性を高められる」

という明確なメリットがあります。


今回検出した触媒コンバーター上流側O2センサー不良は、前回検出のDTCと重複します。
点灯時の運転操作や走行距離を考慮しても合理的と判断し、交換することに決めました。


他に留意すべき項目として、ワイヤーハーネスの不良が挙げられます。

・ カプラーの防水スリーブの状態
・ カプラー内部の液漏れの有無
・ ハーネスの被膜劣化の有無

これらは、メルセデスベンツの場合は特に、不可避の点検になります。



このエンジンの触媒上流側O2センサーは、専用設計ゆえに少々高価です。
しかし交換後は軽やかな走りが回復しますので、費用対効果は充分でしょう。

不具合が出たら、こじらせないうちに対処する。
それは、人間にも機械にも共通する定石ですね。