メルセデスベンツ CLK200 (W209) です。
ブレーキのルーティンメンテナンスで入庫しました。
前用のパッドセンサーが、既に接地しています。
プライマリーチェックの結果、前後のディスクパッドと前ローターの交換を決定。
弱い踏力でペダルに触れてから制動力が立ち上がるまでに、妙なズレがある。
どうやらパッドとローターの他にも、要整備箇所がありそうです。
このクルマの走行距離は、まだ 50,000㎞ を越えたばかり。
しかしながら、前左右ハブベアリングに容認できないガタが見つかりました。
ハブベアリングの遊び量が大きくなると、ブレーキペダルを踏んだ時、効きはじめる位置が奥深くなります。頻繁にブレーキを使用する状況では本来の位置に戻るので、突然ブレーキの効きがわるくなったように錯覚させられることもあります。
W209の前ハブは、大昔から変わらないテーパーローラーベアリングで保持されています。
破損や滑りの痕跡はありませんが、全体の損耗状況はガタの発生を裏付けるものでした。
アウターレースを抜き取った後、ハブの接触面をクリーニングするために、3Mのスポンジ研磨剤を使用しました。FTECで普段使用している材料が切れたために試した物ですが、パッドの厚さと密度が今回の作業にちょうど良く、大変重宝しました。
スピンドルに鍛流線を見つけました。これも最近のクルマではあまり見かけません。
ディスクパッドは前後とも純正品を、前左右ディスクローターはジマーマンのOEM品を使用しました。キャリパーサポートを清掃してスライダーに給脂し、組上げ後にブレーキオイルを交換して完了です。
メルセデスベンツに乗るなら、ブレーキは最高の状態を維持したいものです。
緊急時のフルブレーキングで四輪が沈みこみ、重心が地面に突き刺さるような減速ができることは、メルセデスベンツの大きな美点のひとつなのですから。
おまけの動画は、メルセデスベンツのTVコマーシャルです。
2006年式から選択可能なブレーキアシストシステム、「BAS Plus」を紹介しています。
リアルな緊迫感とユーモアのセンスが同居していて、印象深い出来映えですね!