エンジンチェックランプ点灯で入庫しました。
最初に、スキャナーで各コントロールモジュールから情報を引き出します。
自己診断システムは、車輌の制御領域ごとに細分化されています。
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パワートレインコントロールモジュールが、水温の異常を検知していました。
しかし、オーバーヒートの兆候はありませんし、保存された情報内に痕跡もありません。
そんなことが、あり得るでしょうか。
サーモスタットのヒステリシスが気候に合わず、開いたとたんに冷えすぎる、という仮説は成り立ちます。この仮説を裏付ける証拠を集めるには、サーモスタットを一旦外すか、ラジエターコアの一部を隠すかするなどの方法が考えられます。
しかし、サーモなしではヒーターが効かず、通勤にも苦痛が伴います。
コアを隠すと、エンジンルーム内の通風にも悪影響を及ぼす可能性もある。
考えた末、より低い温度で開弁するサーモスタットに組替えることにしました。
対策の成否は、最低でも1年間推移を観察することで見極められるでしょう。
現在、チェックエンジンランプは消灯し、お客様のもとでテストを継続しています。