カプチーノ用60.5Φエキゾースト作製記録、その3です。
現状を把握して車体側の準備を整えたところで、いよいよ作製にかかります。
ラダー状のフロアサポートの上に、5ミリ厚の木材を固定してスペーサーとします。
限界までクリアランスを詰めるためには、正確な形状と強固な固定が欠かせません。
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車体側の状態を頭に叩き込み、まず紙の上で完成させます。
ハ ヤ ク 作 れ よっ! と言われそうですが。( ̄▽ ̄;)
これをやるとやらないとでは、材料どりの効率がまったく違う。
時間と費用を大切にするため、FTECでは必ずやることにしています。
コの字型に木材を組んでフロアサポートに組み、その上に60.5ΦSUSパイプを原寸合わせしてていきます。
このフロアサポートは作業との相性が大変よく、位置決めに治具が要りません。
触媒コンバーター出口との位置関係。やっぱりここが鍵ですね。
前端以外は、ベンドパイプ溶接組みの構成です。
シームレスに仕上げるために、Rの中心線をキープしてバンドソーで挽きます。
トンネル内は、こんな感じになりました。
エンジニアとしては、S字にカーブさせるなら二つ目のRをゆるくしたい。
排気ガスになったつもりで、何度も脳内シミュレートします。
さて、触媒コンバーターとの接合部分は、汎用のベンドパイプでは美しく繋げません。なぜなら、ベンドパイプには必ず、ベンダーの掴みしろがあるからです。
どんなに高性能のベンダーでも、ストレートパイプを曲げる以上、断面に歪みが生じます。また、曲がっている部分は直線部分(ベンダーの掴みしろ)より、必ず細くなっているものです。
焼き砂をパイプに詰めて手曲げしたらどうか?
それでも掴みしろは要りますし、ベンダーより緩いRしか実現できません。
そういうわけで、ここは切り曲げで作製します。これなら、捻りも捩じりも自由自在。
自動車メーカーには、もっと複雑な要求に応えられて、しかも量産向きのノウハウがあるでしょう。でも、これは個人が趣味で一本だけ作製するものですから、選択する手法もおのずと違ってきます。
はてさて、カタチになったカプチーノ用60.5Φエキゾースト。
どんな音がするのか聞いてみたくて、この段階でエンジン始動してみました。
エンジンの振れによって、ボディと干渉しないか確かめるためにレーシング。
7000rpm以上で突き抜けるように吹けてくれて、オーバーレブしそうです。
【つづき】 → カプチーノの60Φマフラー製作(4/4)