スズキ カプチーノの床面に、鋼材で製作した補強を取付けました。
現車は、路面の継ぎ目のたびに車中がきしみ、ステアリングコラムまで共振している状態です。元々のトレッドが狭く、純正と大差ないタイヤを履いているため、主な原因は縦方向の剛性不足と推測できます。
床板をはさみ込むブラケット |
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この写真は、着手前に参考にしたクルマの床面です。カプチーノと同じFRレイアウトで、ダブルウィッシュボーンサスペンションのオープン2シーター。
別のクルマの例。エンジンサポートメンバーとロアアームのピボット付近を結合しています。
カプチーノの床は、正面から見ると船底型になっています。
フロアトンネルは深く、プロペラシャフトの真下にエキゾーストが走るレイアウト。丁度アルファベットの「W」のような形状です。曲げ剛性を高める狙いがあるのでしょう。
25のLアングルと20角の鋼材を溶接して、車体の要所を決めていきます。
最低地上高に影響する箇所ですが、剛性向上のメリットと、将来太いエキゾーストを通すことを考慮して寸法を決めました。
純正のアルミ板を取付ける雌ネジをすべて利用した、脱着可能な構造です。
フロントメンバー後側の結合部にも共締めすることに。
溶接で追加したブラケットは、角をまるめてから塗装します。
後部までビッチリ決めてしまおうかとも考えましたが、効果を測定しつつ追加していける構造なので、先の楽しみを残しました。左右に一直線に渡したバーの影が、純正の床形状を表しています。
純正のアルミ平板とは比較にならない強度でトンネル下部を決めています。
さらに、エキゾーストのクリアランスも広げることができました。
試乗すると、最初の段差から劇的な効果が現れました。補強前にワナワナと震えていたステアリングから、うってかわって安心感が伝わってきます。
まあ、これだけやれば当り前だろうという気もしますが・・・。
デフメンバーまで連結させたらトラクションにも変化があるかもしれません。
取り外し可能なボルトオン構造にしたのは、車検対策でもあります。
ナンバーなしのレースカーなら、更に自由に試せますね。
いずれにせよ、「一カ所に極端な負荷が集中しないように、なるべく広く決める」と良い結果を確実に手に入れることができます。
【追記】
これを発展させた補強を、別のカプチーノに取付けました。
カプチーノのフロア補強