埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

ジープJ37のホイール修理

三菱 ジープ J37です。車検整備で入庫しました。
「多摩100」というレアなナンバー登録が特徴です。

オーナーさんとの付き合いは、かれこれ四半世紀になるでしょうか(*^ー^ )

ジョンソンタウンのかえりに、ご夫婦でお寄りになったとのこと。
あの周辺のロケーションに、このクルマはよく馴染むことでしょう。
そういえば益子のえみぱんさんでは、兄弟車を見かけましたね。


ここではホワイトリボンタイヤと純正ホイールのリペアについてまとめます。

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経年劣化で交換を余儀なくされた古いタイヤは、ブリヂストンのSF-375。貴重な国産ホワイトリボンタイヤでしたが、既に廃番になって久しく、ネットで検索してもサイズ違いの長期在庫品がヒットするくらいです。

希望サイズは235/75R-15。そしてサイドウォールのホワイトリボンは絶対条件。
さんざん探し回った結果、MRX PlusIV を取り寄せました。 

せっかく新品のタイヤを組むのに、ホイールがあまりにもみすぼらしい、ということで、こちらもリフレッシュすることに。30年も経過すると、錆も歪みも相当なものです。


手持ちのホイールは、装着している4本とスペア1本の、計5本。
この中から、痛みの少ないものを選択して使用します。

メッキのキャップを装着できる鉄ホイールは、三菱で既に製廃となっています。
この金具は、おそらく貴重品になるでしょう。


タイヤチューブのバルブ周りは、錆でホイール側に喰いついていました。


ここは水が浸入すると抜けない箇所です。




樹脂製のグロメットも、既に製廃でした。
組付け時に、チューブ側にシリコンシーラントを施工して、代替としました。


ステンレスワイヤのカップブラシで、大まかに錆と汚れを落とします。


サンドブラストをテスト吹きしてメディアを選択します。純正の塗膜は意外なほど強固。


#60台のアルミナ系を用いた後に、ガーネットサンドで全体を仕上げました。時間効率が悪かったので、次の機会には黒色炭化珪素を試してみたいです。

優しく時間をかけて仕上げざるを得なかったので、部品にとっては良かったかも。



この後の工程である下地処理から塗装までは、オーナーが自力で仕上げました。

また、バルブ周りをコーキングしながらタイヤチューブを組み付ける工程では、埼玉GYさんに多大なご協力を賜りました。この場を借りて感謝申し上げます。


新しいタイヤの恩恵は、乗り心地に現れます。
リーフリジッド式サスペンションのジープでは、より顕著な変化を体感できます。

ステアリング操作に必要な力が減少したことは、望外の成果でした。

クルマは、適切な手入れによって、いくらでも延命できる道具です。
そういう選択肢を確保することも、FTECの使命なのだろうと考えています。