埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

デファレンシャルの歯あたり点検

マツダ スクラム(4WD)の、前デファレンシャルです。
走行中、ひどい唸り音を発生するとのことで入庫しました。

走行距離は13万キロ。
諸症状を確認し、ピニオンギヤとリングギヤの歯あたりを点検します。


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唸り音の発生源を特定するため、前側プロペラシャフトをセンターベアリング部で分離して、走行テストを行いました。フリーハブではないので、入出力の流れがドライブシャフト側からの一方向に限定されます。結果、異音の発生源はピニオンとリングギヤと特定できました。



まだまだ乗りたいオーナーの要望で、マウント類も新品に交換することに。




個人的に、スズキの「因習にとらわれないクルマ作り」には、好感を持っています。が、アルミダイキャストのデフケースをこの位置で分割するという設計は、少々アグレッシブすぎたのではないでしょうか?ベアリングは健全でしたが、バックラッシュは過多という状態です。


プロペラシャフトを切り離すと異音が消えるので、コースト側の点検は不要です。厳密にいうとピニオン側のイナーシャモーメントが違いますが、テスト時の走行モードから省略を決定。


光明丹でドライブ側の歯あたりを点検します。若干ヒールコンタクト気味で、かつトップランドのエッジをピニオンで掻いていることが解ります。 デフケースの構造上、実際の走行状態では更に厳しくなる方向で偏差を見込まなければ成りません。
ピニオンとリングギヤのセット交換は必須です。


整備コストを比較した結果、2年または4万キロ保証のリビルド品を使用することにしました。
さて、どんな仕上がりの部品なのか。わくわくしながら開梱すると・・・。






まさかのリヤデフ。 ΣΣ( ̄ロ ̄lll) ガ━━━━━━━━ン!!!!


・・・あえなく返品となりました。