GMCユーコンXLデナリ(2002年式)です。
エンジン不動で入庫しました。
走行中に突然エンジンがストールし、それきり再始動不能になったとのこと。
6リッターV8ボーテックを搭載する車重3.3トンのユーコンXLデナリ。
オーナーは新車で購入以来10年間、日常の足として使いたおしています。
IPCを行うと、勢いよくクランキングするものの、一向に初爆が得られません。
フュエルギャラリーのサービスポートで測定すると、燃圧がゼロになっています。
パワーディストリビューションセンター内のフュエルポンプリレーを点検。
作動信号の正常を確認後、直接ポンプ駆動電源を供給しました。
しかし、フュエルポンプは作動せず。
走行距離10万キロをとうに超えていることもあり、タンクユニット交換を決定。
ユーコンの長い航続距離を担保する巨大な燃料タンク。
容量は120リットル超!延々とガソリンを排出します。
樹脂製タンクなので、10年たっても内部は綺麗。
取り外したフュエルタンクユニット。
ストレナー、レベルゲージ、ポンプ、チェックバルブが含まれます。
GMの正式呼称は、フュエルセンダーユニット・アッセンブリー。
フュエルライン途中のフィルターカートリッジと共に交換します。
同じ症状の再発を防ぐため、フュエルポンプリレーも交換します。
オムロンのロゴが付いているだけで信頼性が高まりそうな気がしますね(^-^b
フュエルポンプの故障には、事前の予兆がありません。
燃料タンクの外側にポンプが装着されているクルマなら、作動音の変化に気づくこともあるでしょう。しかし、巨大な燃料タンク内に沈められているうえ、遮音のゆきとどいた運転席までの距離が離れているデナリのようなクルマでは、ポンプの寿命を察知することは不可能です。
従って、路上故障を避けるには、不調がなくても交換するという英断が必要です。
新車時からすべての整備をお任せ頂いているFTECとしては、予防整備を提案すべきだったとの内省が生じる事案でした。
整備完了後、復調したデナリには全システムのダイアグノーシスチェックを実施。
ノーコードを確認のうえ、納車させて頂きました。