リンカーン ナビゲーター (2000年式) です。
車検整備で入庫しました。
オーナーに溺愛されているこのクルマは、FTECで5回目の車検整備を迎えます。
過去10年分の整備履歴と、リンカーンの推奨項目をつき合わせて作業内容を決定。
今回は、全ドライブトレーン(エンジン、トランスミッション、トランスファー、前後デファレンシャル)の、オイル交換を実施します。
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第一世代ナビゲーターの後デファレンシャルには、ドレンプラグがありません。
ギヤキャリア(ホーシング)の、カバーを取外してデフオイルを排出します。
カバーの肉厚は薄いので変形に注意 |
ナビゲーターに限らず大型SUVはデフの異音が車室内に届かないので、ギヤの歯当たりが健全かどうかは機会があるたびに確認しています。
前デファレンシャルのケースはアルミダイキャスト製で、ドレンプラグがついています。
トランスファーオイルも、ドレンプラグから排出できます。
ドレンプラグの磁石には、切粉が堆積しています。
リンカーンは16万キロ交換の必要なしと謳っていますが、到底試す気にはなれません。
オープンデフの前側でさえ、この鉄粉量です。
LSD装着車で狭い日本の道を走るなら、最低でも3万キロごとに交換すべきでしょう。
この手法で全量交換はできませんが、定期点検を確実に行う場合はかえって好都合。
疲れ切ったATFをチェンジャーで全量交換すると、滑り出す恐れがあるからです。
洗浄したドレンプラグにテフロンのシールテープを施工。
ダイキャストに穿たれたドレンホールはテーパーネジなので、締めすぎに注意。
後デファレンシャルカバーを洗浄してシールパッキン(液体ガスケット)を除去。
実はこの作業がいちばん手間だったりして(^-^;;)
ギヤキャリア側の嵌合面を3Mのスコッチブライトで清掃。
後デファレンシャルカバーのボルト。
ネジ山にこびりついた古いパッキンを除去。
タグもついでに綺麗にします |
古いパッキンの残片が少しでも残っていると、オイル漏れの原因になります。
デファレンシャルオイルはすぐには漏れてこないという事を念頭に作業します。
エンジン冷却水を排出。
近年、新車時にはスーパーロングライフクーラントが注入されています。
5年24万キロ交換不要とされているケースもありますが、FTECでは交換しています。
く、暗い・・・!!
油分を完全に除去した後、カバー側の嵌合面にシーラント(液体パッキン)を塗布。
カバー取付後も、シーラントが硬化するまではオイルを注入できません。
硬化を待つ間に、別の作業を進めます。
新旧エアクリーナーエレメント比較 |
保安基準適合マークを確認がてら、パッド粉の汚れ落とし |
近年、新車時にはスーパーロングライフクーラントが注入されています。
5年24万キロ交換不要とされているケースもありますが、FTECでは交換しています。
壊れないことと、健全であることには、埋めがたいギャップがあるように思います。
メーカーとオーナーのメンタルの違いですね。
ケミカルは「おまじない」みたいなものです。
正しい整備を施したうえでのおまじないなら、念押しの意味で有効でしょう。
最後に後デフオイルを注入して完了です。
第一世代のナビゲーターは、その後のモデルと比較すると粗削りな印象をうける乗り味です。しかし、純粋な速さ、特にスロットルペダル操作に対する反応の早さには、バイワイヤーのモデルには無い心地よさがあります。
その他のルーティンメンテナンスを施し、不調の兆候がないことを確認。
最後に、ヘッドライトテスターでの光軸調整です。
く、暗い・・・!!
寄る年波が、こんなところに。
初期のプラスチックレンズにとって、曇り濁りは宿命のようです。
急いでピカールで磨き上げて、何とか合格。
とはいえ、ライトなんて明るいに越したことはありませんから、早々に交換しましょう。
純正品の他にも、社外品がたくさん流通しているので、楽しく選ぶことができますよ!