埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

AE86レビンのボディ補強

トヨタ カローラレビン(AE86)です。
ハチロクに狂ったFTECのお客様が、狂気のままにレストアしました。
はじめにお断りしておきますが、この写真の撮影現場はFTECではありません。


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そもそも、ベースとなったボディが事故歴なし+車庫保管の極上物です。
レストア着手にあたり設定したコンセプトは、

・ 純正フェンダーに収まるサイズのレーシングタイヤを使用
・ 運動性能向上を最重要課題に据えた軽量化
・ ボディ鋼板スポット溶接箇所の増し溶接
・ フルロールケージ装着

そして、耐候性も含め永続的なサーキット走行に耐えうるボディとする
・・・というもの。

賢明な方はお気づきでしょう。
これは理想論です。

「そんなもの、ありえない」

そう言って片づけるのは簡単です。

しかし、長く苦しいプロジェクトの成否が純粋な理想を維持できるか否かにかかってくるということは、価値ある仕事をやり遂げた経験をお持ちの方であれば、誰でも共感していただける真実だろうと思います。















艤装の工程は一見楽しそうですが、現実はとても暗く単調な作業の繰り返し。
急ぐとだらしない雰囲気に仕上がってしまい、取り返しがつかなくなります。
計画は八割をもって半ばとす、という心積もりが肝要です。







ロールケージの固定等には、一般的なレース車輌とは違うノウハウが必要です。

現役を退いたレースカーの流通市場が確立している欧米と比較すると、日本のレースカーは使い捨てと言っても過言ではないのが実状です。

従って「永続的なサーキット走行に耐えうるボディ」というコンセプトのもとでは、別工程の選択を求められるのが自然のなりゆきだとFTECでは考えます。














永続的な運用を前提とした、従来のレースカーとは違うボディ補強。その成否は、長い年月を経て初めて明らかになります。過去の定石に固執せず、最善を求めて柔軟な措置を施すことが肝要とFTECは思います。