埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

デュランゴのブレーキ整備

ダッジ デュランゴ SLT(1999年式)です。
ブレーキ鳴きの修理で入庫しました。

プライマリーチェックでブレーキローターの損耗が確認できたので、ディスクパッドとセットで交換することに決定。

簡単に解決するかと思いきや、分解すると驚くべき事実が明らかに。


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もともと、ローターの摩耗状態には疑問を感じていました。
ディスクキャリパーを取り外そうとすると、ラジアル方向にガタつきがあります。


なんと、スライドピンを締め損なって、ナックルの雌ネジを舐めてしまっています。
ブレーキをかけるたびにこじられていたのでしょう、穴が広がってグラグラでした。


ハブナックルを交換すべきか?
この年式のナックルを本国から取り寄せるコスト、ベアリング交換の可能性は?

色々な条件を勘案した結果、お客様と話し合って修正することに決定。
炭素鋼(S45C)の丸棒を旋盤で挽いて、オーバーサイズのピンを作製しました。


結果、キャリパーが正確に搖動するようになり、ペダルタッチも改善されました。
お客様いわく、「以前は高速道路から降りるときなどにペダルが深く、振動がひどかった」とのこと。さもありなん、という状態でした。 


このデュランゴも、88ナンバー(キャンピング車)で登録されていました。長年ろくなメインテナンスも施されずに放っておかれた原因の一つではないかと推察し、FTECで適切なナンバーに登録をしなおしました。

このお客様には、大変喜んでいただけました。
以後このデュランゴは、要整備箇所を順番に処置して、過ぎ去った時間を取り戻すかのように快方に向かっています。