埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

ナビゲーターのDTC診断

リンカーン ナビゲーター(第2世代)のDTCを点検します。
エンジンチェックランプ点灯で入庫しました。

最初に、スキャナーで各コントロールモジュールから情報を引き出します。
自己診断システムは、車輌の制御領域ごとに細分化されています。


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パワートレインコントロールモジュールが、水温の異常を検知していました。
しかし、オーバーヒートの兆候はありませんし、保存された情報内に痕跡もありません。


エンジン冷却水温が上昇していくプロセスで、一旦温度が下がったデータを異常と判断したようです。・・・運行中に、上昇していく水温が一旦下がる?
そんなことが、あり得るでしょうか。

サーモスタットのヒステリシスが気候に合わず、開いたとたんに冷えすぎる、という仮説は成り立ちます。この仮説を裏付ける証拠を集めるには、サーモスタットを一旦外すか、ラジエターコアの一部を隠すかするなどの方法が考えられます。

しかし、サーモなしではヒーターが効かず、通勤にも苦痛が伴います。
コアを隠すと、エンジンルーム内の通風にも悪影響を及ぼす可能性もある。

考えた末、より低い温度で開弁するサーモスタットに組替えることにしました。
対策の成否は、最低でも1年間推移を観察することで見極められるでしょう。

現在、チェックエンジンランプは消灯し、お客様のもとでテストを継続しています。