埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

K6Aのアッパーデッキを修正

スズキの軽自動車用エンジン、K6Aです。
ヘッドガスケット抜けの対策として、アッパーデッキを作製したエンジンです。
社外のメタルヘッドガスケットの仕様変更に合わせ、加工を施しました。


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左: 旧型メタルヘッドガスケット(t=1.05)
右: 新型メタルヘッドガスケット(t=1.0)
中: アッパーデッキ

アッパーデッキは、旧型ガスケットに合わせてレーザーで切り出したものです。
新型ガスケットは、冷却水流のポート径に設計変更が加えられています。



2番シリンダー後方のポート。径が大きくなっています。


各ポート径を実測すると、

1番後方 右側: φ6.6 →(変更なし)
1番後方 左側: φ6.0 →(変更なし)

2番    右側: φ5.8 →7.9
2番    左側: φ6.0 →7.9

3番    右側: φ4.2 →3.9
3番    左側: φ4.2 →3.9

ブロック側のウォータージャケットからシリンダーヘッドに供給する冷却水を、純正より中央寄りに流そうという意図が読み取れます。

また、新型ガスケットは、積層したプレートのカシメがブロック側ウォータージャケット内に露出する旧型の構造を改めてきました。

トライ&エラーの結果を踏まえた正常進化だろうと推察し、新型ガスケットに合わせてアッパーデッキをのポートを拡大修正しました。

09916-67010  /  09916-6701
メタルヘッドガスケット上下2枚で0.1ミリの厚さ減。ここは圧縮比もさることながら、バルブタイミングに影響するので、痛し痒しの設計変更です。増える方向なら、調整容易だったのにね。

次はシム調整です。