埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

パジェロエボリューションのハブベアリング交換

三菱 パジェロ エボリューション(1997年式)です。
エンジンは6G74 MIVEC、ミッションは INVECS-II スポーツモード5AT。



ベース車の車軸懸架式ではなく、四輪独立懸架式のサスペンションを備えています。
今回は、後ハブベアリングの交換を行います。

20~26 kgf・m (197~254 N·m)


エボリューションモデルの後サスペンションは、いわゆるホーシング式ではありません。
まずはブレーキ周りを分解して、ついでドライブシャフトAss'yを取り外します。 


ドラム in ディスク のローターを外したところ。
サイドブレーキライニングは、まったく減っていません。


デファレンシャル側から、ドライブシャフトを抜いたハブ裏面を点検。
シールの損耗で水分や異物が侵入したのでしょう。ゴロ感があります。


サイドブレーキシューの形状が巧妙で、ブレーキに手を付けずに交換できます。
さすが、ホモロゲーションモデル。


新品ハブ。一般的な乗用車のそれとは異なるヘビーデューティな部品。
ベアリングは、全負荷以前にブレークイン(慣らし)をすることが望ましい部品です。


リテーニングボルトはロックタイトを塗布して締め付けます。


ナックル側の嵌合面について清掃徹底を厳とすることが肝要であり、そのポイントさえ押さえれば素早く正確な交換作業が可能です。

こうしたサービス性の良さは、レースの現場でもアドバンテージになったに違いありません。


おまけの動画は、ラリーレイドにおける三菱自動車の活動を追ったもの。

三菱は、ヨーロッパでもロシアでもレンジローバー以上に認知されているブランドです。
我々日本人も、公正な視点で再評価を試みたいところですね。






ダカールラリーにおける三菱の戦績は、総合優勝12回 (史上最多)という輝かしいもの。


ライバルはプジョー(総合優勝4回)、シトロエン(同4回)、フォルクスワーゲン(同3回)など。 


34回目のスタートは、2013年1月5日(土)に予定されています。