埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

配線不良によるBCM破損の修理

ダッジRAM B1500バン(2002年式)です。エンジン不動で入庫しました。
社外のセキュリティシステムと、リモコンエンジンスターターが装着されています。

・ リモコンでエンジンスタートできる時とできない時がある
・ ライトのアンサーバックの後、スターターが回らない
・ 繰り返し操作するとアンサーバックしなくなり、キーでも始動できない

これらが入庫時に伺った症状です。

入庫直後は、イグニッションキーをひねってもクランキングするだけでした。
いやな予感がして、ダッシュボード下をばらしてみると・・・


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何が起きても不思議じゃなさそうな、まともに動いた瞬間があったこと自体奇跡ではなかろうか?という配線のかたまりが出現。



配線が配線で縛られていたり
被膜を剥いて芯線をまるめて繋いでいたり
アースがパネルの隙間に押し込んであったり

・・・モラルもセンスもあったものではありません。


とにかく、「動きさえすれば、どうだっていいだろ」という投げやりな処置です。
ちょいと触れたら動かないなんて当然。これは原因究明以前の問題です。
全部やり直しですね。



上の2枚は別のクルマ(GMCユーコン 2000年)の写真ですが、まったく同様の有様でした。

このクルマは配線をやり直しても一部の機能しか回復せず、その後の調べでBCM(ボディコントロールモジュール)基板上に焼損が確認され、交換しました。

これでは、盗難防止どころか車輌火災の種を仕込んでいるようなものです。

スターターにせよホーンにせよ、結構な大電流が通る箇所がありますから、甘く見ると酷いことになります。社外品を取付けてから調子がおかしくなった場合は、迷わず全部取外すことから始めましょう。

また、「純正セキュリティが壊れたから社外品をつける」という判断は、短絡的にしない方が良いと思います。純正セキュリティのどこがどうして壊れたのかは知っておくべきだし、社外品が壊れた純正セキュリティと共存できるのかは、誰にもわからないのですから。


この写真は、シボレー アストロ。社外セキュリティとエンジンスターターの配線です。

黄色→赤色へ。金具に剥いただけの芯線を絡めて、セロテープで巻いてありました。

FTECはこうした状況を逐一お客様にご報告し、別途整備を承っています。