埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

アルテッツアのサスペンション整備

トヨタ アルテッツァ ジータ AS300(JCE10)です。
サスペンションをリフレッシュするために入庫しました。

4気筒と6気筒、2リッターと3リッター、さらにFRと4WDが混在するアルテッツァ。
骨太な基本設計が功を奏して、営業車として15万キロを走破しても健在です。



今回の整備で、凡百な営業バンでは到達不可能な走行距離を目指します。


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新たに装着するのは、テインの車高調整式ダンパーユニットです。
どんな性能を発揮してくれるのでしょうか?

GSY84-J1SS2

内装を分解。プログレと共通のセダンとは異なる床構造が見えます。



くたびれたショックアブソーバー。作動時に異音を発しています。


察しの良い方は、すでにお気づきでしょう。
そう、これから取り外す部品も、テインの製品です。


サスペンションの基本構造は、前後ともダブルウィッシュボーン式。
要所のブッシュ類には、走行距離相応の劣化が認められます。



やれたクルマに新品のダンパーユニットをポン付けしても、得るものはありません。
正当なフィードバックを得るために必要な部品は、躊躇わずに交換します。


新旧テインの前用を比較。新しい方はプログレッシブレートになっています。

F : 7.0 kgf/cm R : 7.0 kgf/cm

後用は、だいぶ設計を変えてきましたね。一瞬、品違いかと思いました。




全サスペンションアームを接地状態の角度に合わせて締めつけた後、ブレークインのために100㎞程走行。オーナーの理想とする車高に再調整し、最後にアライメントを調整しました。

ブレークインで得たフィードバックを基にストローク量を勘案し、純正値をアレンジします。
オーナーは鋭敏な感性の持ち主ですし、FTECもアライメントには殊更に神経質。
ジェイクロスさん、ご協力ありがとうございました。

かくして仕上がったクルマは、本来の素直な身のこなしを取り戻しました。

オーナーの嗜好で、ショルダーのエッジが立ったグッドイヤー製タイヤを装着していますが、進路保持性も格段に向上し、タイヤの摩耗状態も改善されました。





廉価版のダンパーユニットですが、潜在能力は引き出せたと自負しています。

10年間でテインの製品もだいぶ安くなりましたが、品質が落ちたわけではなさそうです。
細かなことですが、スプリング下のインシュレーターは改善が必要でしょう。

デルリンで削り出したら調子いいだろうな。