ドアミラーに内蔵されている、ターンシグナルライト(←)が機能しません。
一般的には、ドアミラーAss'y での交換が定石となります。
しかし、新品は本国オーダーになるうえ、非常に高価です。ターンシグナルライトの他にも、アラウンドビューモニター用のカメラやブラインドスポットモニター用のインジケータ、カーテシ―ライトや防曇ヒーターなどが含まれる構造なので、ある程度高価なのは仕方が無いのですが。
希少車ゆえ、中古部品も見つかりません。
ということは、
□ カプラーの接触不良
□ 新品の初期不良
このうちのどれかが原因です。
点滅信号を確認した配線の色は 黄/緑。
残念ながら、車体側ハーネスと結合する3つのカプラーに、白/黄 色の配線はありません。
ビニールテープできつく巻き細められているドアミラーのハーネスのどこかで、他の系統のGRD線と統合されている可能性が大きいと見て、絶縁テープを全部ほどいてみます。
全部で5本も、ほぼ同じ位置で断裂しています。
他の系統の黒色のGRD線と束ねられて、その先の線は茶色に変わっています。
ハーネスの被覆に付着した接着剤をケミカルで除去して、切れた配線を接合します。
車検整備だけに焦点をあてるなら、ターンシグナルライトのGRD線を1本つなげば終わりです。しかし、これを見て見ぬふりを決め込める人は、整備士の中にはいないでしょう。
断面積が減らぬように、ハンダの量は最小になるように。
最終的に元の経路に納められるように、配慮します。
今度は、狙い通りに機能しています。
ミラーの形状に組み上がった段階で、再度3つのカプラーを繋いで動作確認。
複数個所を仮接続のままイグニッションONにしたので、多くのDTCが現れます。
今回の修理によって、LIN接続されている左ミラーカメラが回復していることを確認。
走行テストで、ブラインドスポットモニターの回復も確認できました。
□ 狭いルートを何度も直角に曲げて通す
□ 配線は細すぎ被覆は柔軟性が足りない
過激なコストダウン要求が、背景にあるように思えてなりません。
車種展開(12種類)
ガソリンエンジン(6種類)
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1.2 PureTech 110(EB2DTS)
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1.2 PureTech 130(EB2DTS)
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1.6 VTi 120(EP6)
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1.6 THP 155(EP6CDT)
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1.6 THP 165(EP6FDT)
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2.0 NA 143(RFJ) ※日本市場限定、先代搭載
ディーゼルエンジン(10種類)
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1.6 HDi 90(DV6ATED4)
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1.6 e-HDi 90(DV6C)
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1.6 HDi 115(DV6C)
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1.6 e-HDi 115(DV6C)
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1.6 BlueHDi 100(DV6FD)
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1.6 BlueHDi 120(DV6FC)
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1.5 BlueHDi 130(DV5RC)
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2.0 HDi 150(DW10CTED4)
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2.0 BlueHDi 150(DW10FC)
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2.0 BlueHDi 160(DW10FCTED)
繰り返しますが、これはC4 ピカソⅡだけのバリエーションです。
実際には年次改良名目で逐次投入されるとはいえ、12の車種で右ハンドルと左ハンドルの商品展開がされていたのは事実です。
その組織は現在、ステランティスに改組されています。
「モノに魂が宿る」という感覚を、忘れずにいたいですね。