埼玉県狭山市の自動車整備工場、FTECコーポレーションが、主に特殊整備にカテゴライズされる業務内容を紹介するブログです。

カプチーノの60Φマフラー製作 (3/4)

カプチーノ用60.5Φエキゾースト作製記録、その3です。
現状を把握して車体側の準備を整えたところで、いよいよ作製にかかります。


ラダー状のフロアサポートの上に、5ミリ厚の木材を固定してスペーサーとします。
限界までクリアランスを詰めるためには、正確な形状と強固な固定が欠かせません。

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車体側の状態を頭に叩き込み、まず紙の上で完成させます。
ハ ヤ ク 作 れ よっ! と言われそうですが。( ̄▽ ̄;)


これをやるとやらないとでは、材料どりの効率がまったく違う。
時間と費用を大切にするため、FTECでは必ずやることにしています。


コの字型に木材を組んでフロアサポートに組み、その上に60.5ΦSUSパイプを原寸合わせしてていきます。


このフロアサポートは作業との相性が大変よく、位置決めに治具が要りません。


触媒コンバーター出口との位置関係。やっぱりここが鍵ですね。


前端以外は、ベンドパイプ溶接組みの構成です。


シームレスに仕上げるために、Rの中心線をキープしてバンドソーで挽きます。


トンネル内は、こんな感じになりました。



エンジニアとしては、S字にカーブさせるなら二つ目のRをゆるくしたい。
排気ガスになったつもりで、何度も脳内シミュレートします。


さて、触媒コンバーターとの接合部分は、汎用のベンドパイプでは美しく繋げません。なぜなら、ベンドパイプには必ず、ベンダーの掴みしろがあるからです。


どんなに高性能のベンダーでも、ストレートパイプを曲げる以上、断面に歪みが生じます。また、曲がっている部分は直線部分(ベンダーの掴みしろ)より、必ず細くなっているものです。


焼き砂をパイプに詰めて手曲げしたらどうか?
それでも掴みしろは要りますし、ベンダーより緩いRしか実現できません。

そういうわけで、ここは切り曲げで作製します。これなら、捻りも捩じりも自由自在。







自動車メーカーには、もっと複雑な要求に応えられて、しかも量産向きのノウハウがあるでしょう。でも、これは個人が趣味で一本だけ作製するものですから、選択する手法もおのずと違ってきます。





はてさて、カタチになったカプチーノ用60.5Φエキゾースト。
どんな音がするのか聞いてみたくて、この段階でエンジン始動してみました。


エンジンの振れによって、ボディと干渉しないか確かめるためにレーシング。
7000rpm以上で突き抜けるように吹けてくれて、オーバーレブしそうです。