ダッジラム ピックアップ(1996年式)です。
エンジンチェックランプ点灯と、デフオイル交換のために入庫しました。
チェックランプ点灯の原因は、DTCキャンペーンの診断により
P0441 EVAP emission system incorrect purge flow
と、特定済みです。
プライマリーチェックで燃料蒸発ガスの漏れにつながる損傷が見当たらず、社外品の鍵つきフュエルキャップが装着されていたので、まずこれを純正品に交換することに決めました。
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ラムやデュランゴのデファレンシャルは、日本では大変よく壊れます。
限度いっぱいまでステアしなければ曲がれないような狭い交差点がたくさんあるうえ、ストップ&ゴーの繰り返しが常態である日本の道路事情を考慮すれば、メーカーの指示以上に入念な整備が不可欠で、これを怠れば故障に至ることは自明の理といえましょう。
採用したデフオイルはレッドラインの75W-90、GL-5。
ダッジが指示するオイルの品質条件は、MIL-L-2105C と API GL-5 をクリアしていること。
レッドラインオイルの品質なら申し分ありません。
ダッジラムのギヤキャリア(ホーシング)には、オイルを排出するためのドレンプラグがありません。したがってデフオイル交換には、デフカバーの脱着が必要です。
シーラント(液体パッキン)で接着されているので、変形させた痕跡があるケースも多々あります。幸い、このクルマのカバーは何の問題もありませんでした。
確実な作業には、古いシーラントを除去する手間を惜しまないことが肝要です。
NOGAのデバーリングツールを軽くあてると、ボルト穴を大変スピーディに処理できます。
清掃前の状態は、手指がオイルまみれだったため写真が撮れませんでした。(^-^;
今回の作業では、シーラントもMOPAR純正品を使用しました。
デフカバーのボルトを41Nmのトルクで締め付けて、完了です。
ちなみに、Trac-lok(LSD)仕様のデフオイル交換後は、「10~12回の8の字ターン」を遅い速度でするようにと、ダッジは指示しています。
あいにく、日本ではそんな広大な敷地を探すだけでも大変なので、FTECでは過剰な負荷がかからない運転操作をオーナーにお伝えすることにしています。
DTCキャンペーンを通じて知り合ったこのRAMのオーナーは、ベッドレールプロテクターを縞鋼板で手作りする程のツワモノでした。
次は、鳥居として機能するロールバーをワンオフしたいとのこと。ベッド寸法を損なわぬよう、アオリに取付けるデザインのバーは、本国市場でも意外とレアです。
長尺物の固定を想定すると、トップフープは直線が好都合ですね。
イメージの源泉となっている、1996年のインディスペシャル。
残念ながらこの仕様には、ロールバーが付いていませんでした。
このイメージを損なわないデザインにまとめられれば、大成功です。
FTECとしては、どうしてもこういう方向に惹かれがち。(汗
本当の機能美というのは、使い込んだ仕事道具が醸成するのかもしれません。
そういう乗り方を極めるのも、一本筋が通っていて格好良いと思ったFTECでした。