タイミングベルトまわりの整備で入庫しました。
エンジンは、専用のNA3.5リッターV型6気筒、6G74MIVEC。
4カムシャフト24バルブでポートフューエルインジェクションを備えています。保守的な設計はデビュー当時のダカールラリーを睨んで成されたもの。
交換必須の部品は、全ベルト、テンションローラー、アイドルローラー。
全カムシャフトとクランクシャフトの前側オイルシール。
ウォーターポンプ、サーモスタット、上下ラジエターホース等。
付帯作業が重複する要整備箇所はすべて手当てする前提で着手します。
さっそく分解点検を始めましょう。
スターターモーターを外してドライブプレートを完全に固定。
クランクプーリーを取外します。
予想以上の錆び付き・・・。
三菱自動車のサイトに、関連情報がありました。
・クランクシャフトのスプロケット
これらは対策品に交換します。
・パワーステアリング
・オルタネータ
・クーラーコンプレッサー
これらは全て、アルミダイキャスト製のアクセサリーマウントに取付けられています。
ボルトの折れ込みは一ヶ所で済みました。
雄ネジの先端はエンジンブロック側に残ったままです。
アクセサリーマウントの取外し |
タイミングベルト機構を点検。
オイル漏れによる汚損状況を確認します。
整備後のエンジン性能を持続的に発揮させるには、分解した各部品を
が不可欠であり、これを省くと元通りには絶対に組み上がらないからです。
サーモスタットケースを分解中に、折損しているロッドを発見。
L字に折り曲げた、構造的に一番弱いところで折れています。
6G74型のタイミングベルト交換は、付帯作業が多岐にわたる整備です。
単純にベルト交換さえできていればよい、という作業はすべきではありません。
組立てに相応しい状態に整える工程
が不可欠であり、これを省くと元通りには絶対に組み上がらないからです。
次回は、再使用する部品の整備を中心にお届けします。
おまけの動画は、1998年パリ・ダカールラリーのダイジェスト番組。
38分と長めですが、総合1位から4位を独占した三菱自動車の完全勝利が見られます。