シトロエン C4です。
始動不良で入庫しました。
STARTを押しても、反応がありません。
セキュリティシステムは機能しており、イグニッションONまでは正常です。
オーナーの駐車場から、積載車で入庫です。
早速バッテリーチャージャーをクランプすると、電圧は12.5V。
早速バッテリーチャージャーをクランプすると、電圧は12.5V。
10A以下で、しばらく補充電。
その後13Vに昇圧してSTARTを押すと、あっさりと始動できます。
その後13Vに昇圧してSTARTを押すと、あっさりと始動できます。
全システムスキャンを実施、故障コードを確認。
大量の故障コードが、様々な領域で記録されています。
ざっと並べてみますので、自分でスキャナーを操作しているつもりでご覧ください。
大量の故障コードが、様々な領域で記録されています。
ざっと並べてみますので、自分でスキャナーを操作しているつもりでご覧ください。
たくさんの故障コードがありますね。
故障を検知するのは、車載コントロールユニット群です。
電源に不具合があれば、正常を故障と判定することもあります。
故障を検知するのは、車載コントロールユニット群です。
電源に不具合があれば、正常を故障と判定することもあります。
だからこの段階で故障コードを見ても無駄
かというと、そうでもありません。
ここで記録した故障コードは、電源の不具合が波及する領域を知る手掛かりになるのです。
担当したクルマを最後まで診るために、使う使わないに関わらず、取得したデータはあとで利用しやすい形に整えて記録に残す。これを習慣にしましょう。
大量の故障コードを一旦クリアして、バッテリーチャージャーを分離します。
シトロエンC4ピカソは、車載状態ではバッテリーの−端子にアクセスできません。
整備記録簿を遡り、バッテリーを交換することに決めました。
シトロエンC4ピカソは、車載状態ではバッテリーの−端子にアクセスできません。
整備記録簿を遡り、バッテリーを交換することに決めました。
それだけで解決できると考えたのではなく、バッテリー交換後に始動不良の症状が続いても、車載コントロールユニット群があてになれば診断が容易になる、と考えて決めたのです。
改めて、シトロエンC4ピカソのバッテリー交換手順を見てみましょう。
始めに、バッテリーの+端子を外し、次にコントロールユニットを外します。
-端子は、フロントガラス下端から遥かに奥まったファイアウォール寄り。
バッテリー本体を手前に引き出さなければ-端子は外せません。
シトロエンC4のバッテリー端子はクリップオン固定式なので、工具を使わずに分離と結合ができます。重いバッテリーを苦しい姿勢でハンドリングしなければならないので、この端子は整備士にとってありがたい仕様です。
この整備を実施した時点で、古いバッテリーは6年前のものでした。
条件が良くても、このくらい使ったら交換が無難でしょう。
条件が良くても、このくらい使ったら交換が無難でしょう。
新しいバッテリーが、搭載できました。
見えるように撮った写真で、この有様。
実際には、ほぼ全体がフロントガラスの下です。
モジュールを固定するナットが、ひとつ欠損していました。
フランジ付き、かつセレート付きのナットを選んで、確実に固定。
フランジ付き、かつセレート付きのナットを選んで、確実に固定。
エンジンが、正常に始動できることを確認します。
全システムスキャンを再実施、バッテリー交換後のデータを記録します。・P0562 コントロールユニットの電源電圧が低すぎる
この故障コードが気になったので、始動時のライブデータを確認します。
この故障コードが気になったので、始動時のライブデータを確認します。
KOEO(= Key On Engine Off): 12.27V
START : 10.05V
KOER(= Key On Engine Run) : 14.87V
スタートの瞬間の電圧降下が閾値を超えると故障判定されるのか。
この写真の条件であれば、何度始動を試みても故障コードは検出されません。
故障検出のアルゴリズムや閾値の設定は、自動車メーカーしか知り得ないことで、正規のサービスマニュアルにも記載はありません。プログラムアップデートで、これらが更新されることもあるでしょう。
今回の整備の目的は、確実なエンジン始動を保証することです。
点検の結果、症状の原因はバッテリーの衰損であり、再発の恐れはないと結論付けました。
故障検出のアルゴリズムや閾値の設定は、自動車メーカーしか知り得ないことで、正規のサービスマニュアルにも記載はありません。プログラムアップデートで、これらが更新されることもあるでしょう。
今回の整備の目的は、確実なエンジン始動を保証することです。
点検の結果、症状の原因はバッテリーの衰損であり、再発の恐れはないと結論付けました。
サービスリマインダーをチェックして、カレンダーを合わせます。
GPS連動のアクセサリーばかりとは限らないので、注意しましょう。
細かいことの積み重ねは、いつかオーナーにも伝わります。