現車には、関西の某老舗ブランドの量産品が装着されています。
48Φアルスターパイプにステンレスサイレンサーという構成。
年代物なので車検の度に溶接補修していましたが、さすがにもう限界。
60.5Φオールステンレスの一本モノをワンオフすることに決めました。
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まずは、現状把握から始めます。
タービン直下の触媒コンバーターから、48Φの電縫パイプをベンダーで曲げてリヤエンドまで伸ばし、最後方に大型のステンレスサイレンサーを溶接して、フィニッシャーで拡管したテールパイプの外側にディフューザーを装備しています。
大型のタイコに回り込むための曲りがきついのと、消音をこれ一つに頼っていることが気になります。あとは、やっぱり錆と腐食ですね。
もう少し、子細に観察してみましょう。
ラダー状に組んだ補強のおかげで、フロアトンネル下部に「純正より10ミリ多いクリアランス」を確保できています。60.5Φで取回すにあたり、最も厳しくなるのは触媒直下からトンネル内に潜り込む箇所になりそうです。
この部分。エンジンがどのくらい振れるのか、それを何処で吸収するのかについても考えながら、全体の構想を練ります。
装着されていたマフラーは、ミッションの横で、パイプがつぶされた構造です。
これは経年変化でもぶつけたのでもなく、新品からこうなっていました。
今度のマフラーは途中で絞ることなく、量産品にはない性能を発揮させたい。
しかし、本当に60.5Φで取回せるのか??見れば見るほどせまい気が・・・。
カプチーノの市販マフラーが50Φまでだったのは、純正装着されているアルミパネルとの干渉を避けるためです。このパネル(t=1.5)はフロアの補強も兼ねているので、太いマフラーのために取外すわけにはいきません。カラーでかさ上げすると接触面積が減るため、やはりフロア剛性が下がってしまいます。
今回のクルマは、その点を考慮して事前に補強を入れていました。
そうまでして60.5Φが要るのか、という疑問を懐かれる方もいるでしょう。
ここはあえて、「要る」と言い切ることにします。
ターボエンジンの2次背圧は低い方がいいに決まっているし、ギリギリ&スレスレの取り回しに挑戦するのも一興ですから。
【つづき】 → カプチーノの60Φマフラー製作(2/4)